
検診
検診
病気になったときの治療は大切ですが、「病気にならないこと」や「病気をはやく見つけること」はもっと大事なことです。お元気な方も将来の健康を維持するためにも定期的な健診を受けましょう。
当院では下記の大人の健診・がん検診を行っております。
お気軽にお問い合わせください。
*受診の際は保険証、特定健康診査(兼人間ドック検診)または後期高齢者健康診査の受診券・質問票、がん検診などの受診券(ハガキ)をお持ちください。
*健康診断を希望される方は、事前にお電話または受付にご連絡ください。健康診断項目を確認させていただいた上で予約をお取りします。
検診の最大の意義は、「予防医療」の一環であるという点にあります。病気は、症状が現れてから治療を開始するよりも、症状がない早期の段階で発見し、介入する方が、治療効果が高く、身体的・精神的・経済的な負担も軽減されることがほとんどです。具体的な目的としては、以下が挙げられます。
病気の早期発見
がん、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)、感染症などの病気を、自覚症状が現れる前に発見します。
重症化の予防
早期に発見された病気は、適切な治療によって進行を食い止めたり、完全に治癒させたりすることが可能です。
健康意識の向上
定期的な検診は、自身の健康状態を把握するきっかけとなり、生活習慣の見直しや改善への意識を高めます。
公衆衛生の向上
集団としての検診率が向上することで、特定の病気の罹患率や死亡率を低下させ、社会全体の健康レベルを向上させます。
検診には、対象となる病気や目的によって様々な種類があります。
がんは日本人の死因の多くを占めるため、がん検診は特に重要視されています。国が推奨する主な5つのがん検診は以下の通りです。
胃がん検診
主にX線検査(バリウム検査)や胃内視鏡検査が用いられます。近年ではピロリ菌検査も併せて行われることがあります。
肺がん検診
胸部X線検査や喀痰細胞診が一般的です。喫煙者などリスクの高い方には低線量CT検査も推奨されることがあります。
大腸がん検診
便潜血検査が一次スクリーニングとして広く行われています。陽性の場合には大腸内視鏡検査が推奨されます。
乳がん検診
視触診、マンモグラフィ(乳房X線撮影)が中心です。若年層や高濃度乳腺の方には乳腺超音波検査も併用されることがあります。
子宮頸がん検診
子宮頸部の細胞を採取し、異常細胞の有無を調べる細胞診が主流です。HPV(ヒトパピローマウイルス)検査が併用されることもあります。
これら以外にも、前立腺がん検診(PSA検査)、肝臓がん検診(腹部超音波検査、血液検査)など、リスク因子や年齢に応じて推奨されるがん検診があります。
日本では、メタボリックシンドロームに着目した「特定健診・特定保健指導」が導入されており、40歳以上の国民健康保険加入者や企業の被扶養者などが対象となります。
身体測定
身長、体重、BMI、腹囲の測定。
血圧測定
高血圧の有無を確認。
血液検査
血糖値(糖尿病)、脂質(脂質異常症)、肝機能、腎機能などを評価。
尿検査
尿糖、尿蛋白などを確認し、糖尿病や腎臓病の可能性をスクリーニング。
これらの結果に基づき、生活習慣病のリスクが高いと判断された場合には、専門家による「特定保健指導」が行われ、生活習慣の改善をサポートします。
骨粗しょう症検診
骨密度の測定を行い、骨粗しょう症の予防や早期治療に繋げます。
肝炎ウイルス検診
B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの感染状況を確認し、適切な治療や管理につなげます。
健康診断(一般健診)
企業や学校などで定期的に行われる健康チェックで、上記の項目の一部や、聴力検査、心電図検査なども含まれます。
「症状がないから大丈夫」「忙しいから後回し」と考えてしまいがちですが、検診を定期的に受診することには以下のような大きなメリットがあります。
早期発見・早期治療
による予後改善
例えばがんであれば、ステージが早期であるほど治癒率が高く、治療法も選択肢が広がり、身体への負担も少なくなります。
医療費の抑制
病気が進行してから治療するよりも、早期に治療する方が医療費が抑えられる傾向にあります。また、健康寿命の延伸は、社会全体の医療費抑制にも繋がります。
QOL(生活の質)の
維持・向上
健康な状態で長く生活できることは、個人の幸福度を高め、充実した人生を送る上で不可欠です。
家族や周囲への安心
自身の健康が守られることは、家族や大切な人にとっても大きな安心材料となります。
検診は非常に有効な手段ですが、いくつか課題も存在します。
受診率の向上
日本の検診受診率は、欧米諸国と比較して低い傾向にあります。特に若年層や男性の受診率向上が課題です。
過剰診断・
過剰治療の問題
検診によって、経過観察で十分な病変や、進行しないがんなど、必ずしも治療を必要としないものが見つかる「過剰診断」や、それに伴う「過剰治療」のリスクも議論されています。
費用の問題
一部の検診には費用がかかるため、経済的な負担が受診の障壁となる場合があります(ただし、自治体や職場の補助がある場合も多いです)。
精度と倫理的な問題
検診の精度が完璧ではないこと、また、検診結果が個人の心理に与える影響なども考慮する必要があります。
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